地球温暖化関連情報

気候変動=地球温暖化問題

地球温暖化問題の脅威

2007年のノーベル平和賞受賞者で、米国前副大統領かつ大統領候補であったアル・ゴア氏の『不都合な真実(An Inconvenient Truth)』というドキュメンタリー映画をごらんになられたでしょうか?まだの方は、ぜひ、ごらんになってください。

地球温暖化(global warming)および気候変動(climate change)は、現実に起きつつあります。温暖化の結果として起きる個々の事象に関しては、まだ科学者の中でコンセンサスが得られていない点もありますが、温暖化の主因となっているものが、人間活動にともなうエネルギー消費からのCO2排出であることも、もはや疑問の余地はない「事実」として認識されています。

地球温暖化問題は、別名気候変動問題と呼ばれます。すなわち、温室効果ガスの濃度が上昇することによる地球の平均気温上昇が、さまざまな気候の変動をもたらすところに脅威があるわけです。一般に、地球温暖化は、異常気象の「頻度」と「大きさ」を拡大します。

実際に個々の異常気象の中で、どの程度が地球温暖化の影響であるか同定できるほど、現時点の気候サイエンスの精度は高くないでしょうが、少なくとも異常気象による社会の支払うコストは、ここ数十年で確実に大きくなってきている「実績」があります(下図)。
おそらくこれからもその傾向は拡大し続けることは間違いないでしょう。実際、地球温暖化問題にもっとも危機感をもっている業界は、再保険業界なのです。


その他、生態系に深刻な影響が出る危険性もあります。日本でマラリアが流行るのはおそらく時間の問題でしょう。さらに、単なる異常気象や生態系の擾乱にとどまらず、ある「閾値」を超えると、「とりかえしのつかない事象」が起きることも懸念されています。進行する地球温暖化は、地球気候システムに外力を一定方向に加えていくことに相当しますから、どこかでがらっと変わってしまうことは定性的には明らかです。ただ、定量化するにはまだ現在の科学的知見ではあまり正確な予見は難しいようです。

一例として、将来のエネルギー源として考えられているメタンハイドレートがあります。メタンハイドレートは海底や永久凍土に多く蓄積されていますが、温暖化の結果、ある日突然、永久凍土のメタンハイドレートからメタンが気化し始める可能性があります(アラスカなどでは永久凍土が溶けて社会現象になっています)。メタンは強力な温室効果ガスであるため、気化が始まると温暖化に急激な正のフィードバックをかけることとなり、温暖化が暴走し始める可能性をはらんでいるわけです。

その他、グリーンランドや南極の氷床の下に大量の真水があることがわかってきています。それが一挙に海水の塩分濃度に局地的な影響を与え、地球レベルの海流の大循環をストップさせてしまうことも懸念されています。地球の気候システムは、ここ一万年程度は安定していましたが、それはむしろ特異なことでした。われわれの出すCO2が、「引き金」を引こうとしているのです。

問題は、破局的な状態となってしまう前に、いかにすればこの危険の度合いが大きくなる傾向を遅らせ(この手段が排出削減や吸収拡大です)、またそのような社会に適応していくことができるかが、今後の人間社会の大きな課題といえます。

科学的知見のベースの確立: IPCC

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、「まず科学的知見をきちんと認識することで的確な意思決定ができる」という認識の下、設立された機関です。気候変動は、たいへん複雑な科学的要素を含んでおり、科学者の中でも、さまざまな意見が存在します。
そのような中で、意思決定者(大統領など)が、もし温暖化問題対応をしたくない、と思ったとしましょう。その意思決定者はどうするでしょうか? そうです、自分の都合のいい結論を出す科学者の意見を引き合いに出すわけです。
ですが、それでは、「対策」をきちんと前進させていくことはできません。さまざまな科学的知見を集約し、国際的に一種のコンセンサス形成をはかる必要があるわけです。きちんとしたプロセスに則った一種の権威付けと言えるかもしれません。それが、IPCCなのです。

IPCCでは、第1作業部会が「気候変動のサイエンス」、第2作業部会が「地域や分野ごとの気候変動の影響や適応策」、第3作業部会が「GHG削減策」を対象としています。ほぼ5年程度のサイクルで評価報告書が作成され、政策策定者へ「依って立つべき」科学的知見を提供しています。

現在、第4次評価報告書が、11月の統合報告書を待って、完成となりました。ご興味のある方は、ご自分の興味のある分野だけでもいいですので、ごらんになってください。(http://www.ipcc.ch/)