航空機CO2排出量算出根拠

さまざまな機関による飛行機からのCO2排出量計算の方法論の差異

  Atmosfair
(Public version)
TRX Travel Analytics
(Public version)
Carbon Planet
(Table 4)
PEARのクイックオフセットで用いた方法
機体タイプの区別 機体タイプ指定可能(ユーザー入力) 機体タイプ指定(航路、航空会社を選択すると、自動判定される) 議論するも結果として考慮に入れず 区別しない(現状不可能)
運航距離の処理 大圏航路に31マイル(50km)を加算。 大圏航路に以下の係数を乗ずる。
  • 米国国内線:1.07
  • 欧州域内線:1.10
  • 他地域の国内線:1.085
  • 長距離線:1.07~1.01(1000マイルごとに0.01ずつ逓減)
特に議論せず 大圏航路に1.09を乗ずる。(DEFRAコードの推奨値)
燃料消費量及びCO2排出量の計算の基本
  • 250, 500, 750, 1000, 2000, 4000, 7000, 10000 kmを標準距離として燃費係数を用意。
  • 待機時等の影響を加味するため乗客一人あたり2.2ポンド(10kg)の燃料を加算。
  • さらに飛行機の地上運行時の燃料消費として、乗客一人あたり5.5ポンド(25kg)の燃料を加算。
  • 燃料のCO2排出係数は3.16kg-CO2/kg)
  • 125, 250, 500, 750, 1000, …以後500ごとに6500海里の燃費を機体タイプごとに用意。(CORINAIRのデータを使用)これらの数値をもとに内挿。
  • 長距離では、燃費12L/kmを仮定。燃料の発熱量36.8MJ/L、CO2排出係数は0.0785kg/MJを使用。
  • 短距離、中距離、長距離の3区分別にCO2排出係数(距離ベース)を示す。
  • 燃料のCO2排出係数は3.15kg-CO2/kg
GHGプロトコル(DEFRAの旧データ)をもとに、細かい距離別のCO2排出係数を適用。(実際の距離に合わせるため内挿、あるいは、階段関数ではなく連続関数を用いる)
旅客機内の貨物の影響 CO2排出の旅客責任を重視
貨物重量分によるマージナルな増分の影響のみを、旅客の排出量計算から除外。仮定は
  • 貨物は「旅客(荷物コミ)+貨物」の8%
  • 旅客一人当たり荷物コミで220lbs(=100kg)
  • 貨物による燃料増分は2%。これを旅客のCO2排出量計算から除外。
CO2排出の責任を旅客と貨物で分担
「旅客(荷物コミ)+貨物」の全重量のうち貨物重量の比率を、全CO2排出量のうち貨物責任分の比率と考える。小型飛行機(Regional Jetなど)では貨物積載量がきわめて小さいので無視。旅客責任分の平均値は:
  • Narrow-body jets: 98.3%
  • Wide-body jets: 80.1%
議論するも結果として考慮に入れず。(ボーイング747では貨物はMaximum take off weightの4%に過ぎないから、と無視したのか。しかし、4%とは機体重量を含めた全体に対する比率であり、この数値をもってnegligibleというのは妥当ではないと思われる。) 実態不明なため、貨物分の除外は行わない。
乗客率(Load Factor) 2002年のデータをもとに、以下を設定。
  • ドイツ国内線 60%
  • EU域内線 62%
  • 他の国際線75%
チャーター便は、ふつう乗客率が高めになるので、80%を適用。
おおむね、各フライトにつき個別のデータが存在。ない場合は以下のいずれかを適用。
米国航空会社の平均値=75.93%
非米国航空会社の平均値=67.35%
長距離では75% すでに上記CO2排出係数に織り込まれている。
座席クラス 3クラスを区別。(座席の占有面積比率による。) 比率(係数)は以下のとおり。
 Economy 0.8
 Business 1.5
 First  2
ユーザーによるクラス指定がない場合は1.0を適用。
4クラスを区別。機体タイプ別に比率を決定。(座席の占有面積比率による。) 詳細情報が無い場合は、Narrow-body jets の平均を適用:
 Economy 1.00
 Economy (Premium) 1.13
 Business 2.04
 First 2.69
4クラスを区別。(座席の占有面積比率による。)
 Economy 1
 Economy (Premium) 1.3
 Business 2
 First 3
左記を参考に、以下の比率を適用。
 Economy 1
 Economy (Premium) 1.25
 Business 2
 First 3
実際には、GHGプロトコルの排出係数に以下を乗じて計算
 Economy 0.8
 Economy (Premium) 1.0
 Business 1.6
 First 2.4
放射強制力インデックス(RFI) 航行距離500km未満のフライトには適用しない。
航行距離500km以上のフライトには、1~3の間のRFIを適用。(高度9000m以上では3を適用し、それ以下では1を適用。従って、フライトごとに値が変化する。)
選択:1(適用しない)か2.7(適用する) 2.7を適用 1.9を適用。(DEFRAコードで、「適用するのならこの値を」と推奨されている値。ただし、DEFRAコートはRFIの適用自体を薦めてはいない。)

英国環境省DEFRAによる計算式

CO2 emission (kg/passenger) = a * D (km) + b
a = 0.104628(kg/km/passenger)
b = 34.06806(kg/passenger)

  クラスによる乗数 → 0.8 1 1.6 2.4
フライト距離 平均CO2排出原単位 Economy Premium Economy Business First
km kg-CO2/km/passenger kg-CO2/km/passenger kg-CO2/km/passenger kg-CO2/km/passenger kg-CO2/km/passenger
300 0.218 0.175 0.218 0.349 0.524
600 0.161 0.129 0.161 0.258 0.387
900 0.142 0.114 0.142 0.228 0.342
1200 0.133 0.106 0.133 0.213 0.319
1500 0.127 0.102 0.127 0.204 0.306
1800 0.124 0.099 0.124 0.198 0.297
2100 0.121 0.097 0.121 0.193 0.290
2400 0.119 0.095 0.119 0.190 0.285
2700 0.117 0.094 0.117 0.188 0.281
3000 0.116 0.093 0.116 0.186 0.278
3300 0.115 0.092 0.115 0.184 0.276
3600 0.114 0.091 0.114 0.183 0.274
3900 0.113 0.091 0.113 0.181 0.272
4200 0.113 0.090 0.113 0.180 0.271
4500 0.112 0.090 0.112 0.180 0.269
4800 0.112 0.089 0.112 0.179 0.268
5100 0.111 0.089 0.111 0.178 0.267
5400 0.111 0.089 0.111 0.177 0.266
5700 0.111 0.088 0.111 0.177 0.265
6000 0.110 0.088 0.110 0.176 0.265
6300 0.110 0.088 0.110 0.176 0.264
6600 0.110 0.088 0.110 0.176 0.263
6900 0.110 0.088 0.110 0.175 0.263
7200 0.109 0.087 0.109 0.175 0.262